ダウン症エコーNT(胎児頚部浮腫)とは?
ダウン症の特徴的な所見が
エコーでも見られることがあります。
その特徴的な所見は後頚部の腫れです。
Nuchal Translucencyを略して
「NT」と呼ばれることもあります。
NTはリンパ液が溜まった状態です。
妊娠11~13週目で行われるエコー検査で、
胎児のNTが厚ければ厚いほど
ダウン症の可能性が高くなるとされています。
ダウン症の可能性を示唆するNT
妊娠11~13週目は妊娠初期です。
妊娠初期の胎児の後頚部の厚さと
ダウン症などの染色体異常は
関連性があると言われています。
妊娠11~13週目にNTを計測し、
ダウン症の可能性を
推定することができるとされています。
NTの計測は、
マススクリーニング法として
欧米で積極的に検査されているようです。
NTが3~4mmではダウン症の可能性は3倍、
4~5mmでは18倍、
5~6mmでは28倍になるとされています。
妊娠初期に胎児のNTが
3mm以上あるとダウン症に注意が必要です。
ただし妊娠11~13週目あたりというと、
胎児の体内でいろいろな臓器が次第に完成してくる頃です。
胎児が大きく姿を変えつつある時期でもあります。
妊娠初期にNTが3mm以上あっても、
臓器が完成するにつれて消えて行くこともあると言われています。
ことに妊婦が20代なら、
そのまま経過を見ることの方が多いとされています。
妊婦が高齢の場合には、
NTの数値によって医師が羊水検査を勧めることもあります。
ダウン症のリスクがあるためです。
羊水検査には流産の危険性もあり、
検査を受けるか否かはあくまで任意です。
エコー検査は胎児の状態を確認するために用いられ、
胎児の後頚部の厚さも分かりますが、
その時の胎児の体勢によって誤差は出ます。
たった1度のエコー検査の結果では
正確なNTは分からないという見解もあります。
心臓に疾患を持っている場合
またNTは心臓に何らかの疾患を持っている場合にも
厚みを増すとされています。
NTが厚ければ厚いほどダウン症の可能性は高くなりますが、
NTが厚くてもダウン症ではないこともしばしばあります。
NTの数値だけで胎児が
ダウン症か否かを判断するのは
妥当性を欠くと言えるでしょう。
妊娠初期のエコー検査で調べた
NTの数値と妊婦の年齢、
妊婦の血液検査などを組み合わせて
ダウン症の可能性を推測するのが好ましいとされています。
このような諸条件を勘案して
胎児がダウン症である可能性が高いとされた場合、
羊水検査か絨毛検査による確定診断を受けることが勧められています。
確定診断は、
妊娠7ヶ月目になった
妊娠後期が望ましいと言われています。
胎児の体も大きくなり、
検査結果の信頼性も高まるためです。
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