ダウン症の子供はなぜ屈折異常が起こる?原因と治療法について
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ダウン症の子が分厚い眼鏡をかけているのを見たことがありませんか?
ダウン症では目の屈折異常のような目の合併症を起こすことがとても多いんです。
目の屈折異常ってどんな疾患?
「目の屈折異常」というと何だかとても重大な疾患のように感じられますが、実際はとても身近な目の疾患です。
近視、遠視、乱視というとわかりやすいのではないでしょうか。
こういった屈折異常は、2つの原因が考えられます。
ひとつは先天的に目の器質的な障害や疾患を抱えている場合。
もうひとつは、視機能の発達が遅れてしまい、上手く見ることができない場合です。
ダウン症の場合ではどちらの原因も考えられます。
人間は生まれた直後は視力があまり発達していません。
成長するにしたがって、目に入れた光を像として脳に信号を送る機能が発達していきます。
しかし、先天的な目の障害や発達の問題によって、それが阻害されることがダウン症ではとても多いです。
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目の屈折異常の治療法とは?
近視や乱視というと、「治療法」が思い浮かぶのではないでしょうか。
これらの対処法は健常者と同じで、眼鏡やコンタクトレンズで視力を矯正するしかありません。
子供の場合は親がコンタクトレンズを着脱させてあげることで、使用することも可能です。
しかし健常な子でも小学校に上がる前の子にコンタクトレンズを使うのは、あまりおススメできません。
もし異常が起きたとき、自分で対処することができませんし、親がコンタクトレンズを清潔に管理するのが意外に難しいようです。
ダウン症の子は早めに目の異常に気付かれると思いますが、その際、眼鏡を作るように勧められます。
まだ赤ちゃんの時に「眼鏡を作りなさい」といわれても、正直、迷うと思います。
実際、2歳や3歳といった低年齢では、眼鏡を嫌がることも多いです。
ただ、正常な視力を早めに得ることで、外からの刺激を多く取り入れることができます。
健常な子でもこうした刺激が心身の発達を促します。
いきなり眼鏡をかけっぱなしは難しいと思うので、小さいころからちょっとずつ眼鏡に慣れさせてあげるといいかと思います。
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ダウン症では屈折異常が62.9%!治療は早い方が良い
ダウン症の子供には、屈折異常が多いとされます。検査不可のケースを除くと、屈折異常の頻度は62.9%と報告されています。
治療法として、特に幼い子供に勧められるのが、メガネです。
知的発達レベルに問題が見られる子供においても、メガネが装用できない子供はいません。
早いケースでは、2歳からメガネを装用しています。
ダウン症の子供のメガネによる視力矯正は、早いほど効果が上がり、矯正が4~5歳と遅れるほど、難しくなるとされています。
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メガネを装用すると子供の発達を促す!先生や友達のする事をよく見られるから
メガネを装用することによる屈折矯正は、ダウン症の子供の行動に変化をもたらします。
治療によって生じる最も大きな変化は、先生や友達のする事をよく見るようになる事です。
周囲の動きが分かるようになると、目的を持って動くようになります。課題をこなす時に、つまずきが減り、落ち着きが出てきます。
他の子供や先生への働きかけも、積極的になります。
言葉かけが、メガネ装用後の方が、多くなります。
ダウン症では、知的発達に障害を持つ子供が少なくありません。
発達上のつまずきが、しばしば見られます。
早期から治療を行う事で、つまずきを減らし、ダウン症の子供の発達を支援する事ができます。
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