ダウン症に起こる消化器疾患の種類一覧と特徴!
スポンサーリンク
ダウン症の子供には、さまざま合併症が見られます。
最も多いのは、先天性心臓疾患ですが、消化器疾患も多く、ダウン症の子供の約20%に消化器疾患が見られるとされています。
消化器とは、胃・大腸・小腸・直腸・肛門といった消化管と、それに付随する肝臓・胆のう・すい臓といった食べ物を消化する臓器を合わせて指します。
栄養を食べ物から摂取して排泄することは、生きるうえで重要なことです。
そのため、消化器に異常が見られる場合は、緊急に手術することが必要になります。
また、消化器疾患は、生まれる前や生まれてすぐに発見されるため、早期に手術する必要が出てきます。
十二指腸閉鎖症・腸狭窄症
腸の一部が途切れていたり、狭くなっていたりする病気です。
途切れや狭窄は、十二指腸に多く見られます。
閉鎖症には、さらにいくつかの種類があります。
大きく分けて、膜様型、索状型、離断型、多発型の4種類に分けられます。
このうち、膜様型については、膜様隔壁に小さな穴があいている場合は、狭窄症になります。
十二指腸閉鎖症と診断された患者の20~40%は、ダウン症の人だとされています。
ダウン症の人の約8%が、十二指腸閉鎖症です。
十二指腸閉鎖症は、出生前診断で発見されます。
主な症状は、お腹の膨れ、嘔吐、黄疸などです。
▶︎ダウン症の合併症!てんかんにはどのようなものがあるのか?
鎖肛
生まれつき肛門がうまく作られない病気です。
肛門は、食べ物を消化した後に残ったものを体外に出す役割を担っています。
鎖肛では、肛門が無かったり、あっても極度に小さかったり、位置がずれていたりします。
鎖肛は、直腸の奇形と考えられます。
一般的には、見た目で分かるとされています。
主な症状は、お腹の膨れや嘔吐などです。
また、鎖肛には、しばしば脊椎の問題が伴うことがあります。
先天性心臓疾患を併発していることもあります。
▶︎ダウン症候群とは?症状の定義について!合併症について検証!
ヒルシュスプルング病
巨大結腸とも呼ばれる病気です。
消化管の動きをコントロールする神経節細胞がありません。
神経節細胞が無い腸の長さは、たいていの場合、S状結腸くらいまでになっています。
重い便秘や腸閉塞を引き起こします。
主な症状は、排便困難、お腹の膨れ、下痢、発育障害などです。
出生数10万人あたり18.6人と言われていますが、ダウン症の人については、2%にヒルシュスプルング病が見られるとされています。
肥厚性幽門狭窄症
幽門とは、十二指腸に通じる胃の出口となる部位です。
この幽門が厚くなって、口から摂取したものを吐き出してしまう病気です。
生後2~3週間から次第にミルクを吐くようになります。
吐き出す頻度は次第に高くなり、しまいには、ミルクを飲ませるたびに噴水のように吐き出してしまいます。
栄養が摂れないため、体重が減少します。
本人はミルクを欲しがりますが、飲むと、その度に吐き出してしまうので、水分補給ができず、脱水症状に陥ります。
▶︎ダウン症と先天性白内障の関係は!ダウン症と合併症について
スポンサーリンク