ダウン症に凶暴な子や奇声をあげたりする子は本当に居ないのか?
ダウン症児に凶暴な子はいないといわれる理由
ダウン症児には知的障害を持つ子も少なくありません。
そういう場合、「ひょっとしたら、何もわからず暴力的なことをされるかもしれない」という偏見を持つ人もいるかもしれません。
しかし、ダウン症でそのように暴力的な行為に出る子は、少ないと考えられます。
主な理由としてはダウン症の身体症状に筋力の弱さや関節の不安定さがあります。
つまり、あまり動くことが得意ではないのです。
また、先天的に心臓に疾患を抱えていることも多いので、激しい運動ができません。
そのため、他者に暴力をふるうということが身体的に難しいと考えられます。
そのほか、ダウン症の特性として感受性が強く、相手の気持ちを汲んで行動しようとすることが多い傾向にあります。
そのため、ダウン症の子には人と接することが好きな子が多いともいわれます。
▶︎ダウン症の子供を普通学級に入れる事で問題行動は起こるのか?
障碍があるからといって個性がないわけではない
しかし、完全にそういう子がいないかというと、そうではありません。
健常者にも穏やかな人、攻撃的な人、怒りっぽい人、など様々に個性があるように、ダウン症の人にも個性はあります。
ダウン症では言葉で自己表現をすることが難しい傾向にあるので、そのもどかしさから手が出たり、大きな声を出すこともあるかもしれません。
また、ハンディキャップがあるからといって、しつけや教育をしなくていいというわけではありません。
ダウン症では「療育」という治療教育が行われていることが多いです。
早いうちから集団保育・教育を行うことで、できることを一つひとつ増やしていく教育方法です。
自分でできることが増えることによって、成長したあとに社会生活が送りやすくなります。
ダウン症の子は大きくなって働いている人も少なくありません。
もちろん、障害の度合いにもよりますが、軽作業を行っている人が多いです。
ダウン症の人は比較的手先が器用だといわれていますので、お菓子やパンを作ったり、袋詰めなどの内職作業のような仕事をすることもあります。
障碍の度合いが軽ければ、狭き門ではありますが一般企業に就職することも可能です。
彼らはとてもまじめに働く人が多いので、職場でのトラブルが特別目立つということもあまりないようです。
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