ダウン症の子供は頑固なのか?ダウン症で頑固な性格への対応は?
ダウン症の子供は、社会性が豊かで育てやすいと言われます。
障害を持つ子供というくくりでとらえた時、自閉症の子供としばしば比較されます。
自閉症児は、パニックを起こしたり、感覚過敏があったりして、対応に苦慮することが多いのに対し、ダウン症児は、扱いやすいと言われます。
扱いやすいと言われるダウン症の子供が、周囲の大人を手こずらせるとしたら、時に発揮する頑固ぶり。
ダウン症の子供が頑固というのは、どのような理由によるのでしょうか?どう対応したら良いのでしょうか?
ダウン症の子供が頑固なのは甘やかされて育ったからではない
笑顔を見せていたのに、急に拗ねてしまうことは、子供にはよくあることです。
ただし、一旦拗ねてしまうと、驚くような力を出してテコでも動かなくなるのが、ダウン症の子供です。
小さなうちは、まだなんとかできるにしても、ある程度大きくなってしまうと、母親の手には余ります。
周囲の大人がダウン症児の頑固さを問題にするのは、このような時のようです。
ダウン症の子供は、時に頑固な振る舞いをします。
それは、ダウン症児に接したことがある多くの人が指摘することです。
ダウン症の子供を持つ親の有志で立ち上げたNPO法人アクセプションズも、ダウン症のある人がしばしば頑固と言われることがあると認めた上で、頑固さは、ストレスコントロールの困難さや生活経験も含めた環境要因の影響もあると推測されると指摘しています。
また、ダウン症には、コミュニケーションの問題もあると、アクセプションズは指摘しています。
コミュニケーションの問題とは、自分が理解した言葉と表現したい言葉にギャップがあるということです。
ダウン症児では、そのギャップのために、挨拶をしたいと思っていても、うまく挨拶ができないこともあります。
ストレスコントロールがすんなりとできない、理解した言葉と表現したい言葉にギャップがあるといったことが、ダウン症の子供をカラに閉じ込めさせるのではないかと考えられています。
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ダウン症の子供の頑固さをノリで切り抜けるのは限界がある
ダウン症の子供は頑固になることがあります。
ただし、目立つような形でパニックを起こすことがほとんどありません。
また、ダウン症の子供は、持っていき方では、ノリが良いため、うまくのせることができると、そのまま行くことも少なくありません。
そのため、教育現場では「のせることができれば、大丈夫」という対応も多いようです。
しかし、ダウン症の個別指導に当たる関係者からは、そのような対応法には限界があるとの指摘がなされています。
のせられるにしても、本当は心の中で嫌と感じていることがあるとの指摘です。
そのような鬱屈が溜まると、思春期になって抑うつ状態になることもあると指摘されています。
ダウン症の子供は、理解した言葉と表現したい言葉にギャップがあります。
そのため、どうして嫌なのか、本当はどうしたいのかということが、うまく表現できません。
本人にとっては、理解可能な安全なカラに閉じこもっているだけなのかもしれません。
どうしてそのような行動に及ぶのかが、周囲の人に理解できれば、「頑固」とは別の言葉で表現されるかもしれません。
ダウン症の子供から言葉を引き出す対応が、頑固さをゆっくりとでも解きほぐしていくことにつながると言えるでしょう。
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